道祖神には境を守る神、道の神、悪霊よけの性格とともに、縁結び、子宝の神としての信仰がみられる。それは人形を作るときに男根女陰などのシンボルを誇張することによって示されるが、それだけでなく、とくにぬるでや松で男根の形に真似たツクリモノを作るところがある。それはオンマラ、マラ、ドウロクジンサン、御神体などとよばれ、御神体や縁起物、あるいは供物(くもつ)としても用いられる。それは裾花川流域の芋井や小田切、千曲川流域でも若穂、篠ノ井などにみることができる。北信地域においては、長野市内にみられるような男根のツクリモノを作ることは少なく、むしろ人形において男根女陰が誇張されていることが多い。