こどもたちによる勧進の行事に男根を真似たツクリモノがともなう場合がある。下小鍋では、二メートルほどの縄をつけ、囃し立てながら家の中に投げ入れ御祝儀を催促する道具として使い、祭りのあとに村はずれにある道祖神碑の前に供えられる。また、平では真っ赤に塗ったマラをこどもたちが背負い、家々を巡るときの縁起物としている。このような例は下犬飼にもみられ、一尺八寸の大きなオンマラは勧進のときにこどもが背負い、小さなオンマラは子宝に恵まれるように新婚の家や、こどもに恵まれない家に配られる。いずれも食紅で赤く塗ったという。