古峰信仰

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古峰信仰は、栃木県鹿沼市の古峰ヶ原にある古峰神社を信仰するもので、江戸時代に関東や東北、信越方面に広がったといわれている。長野市内ではあまり多くは確認されていない。しかし、松代町柴や同町清野の大村には神社が建てられ、地元の人たちによって祭りがおこなわれている。

 柴の金井山のふもとに、明治のころの大火をきっかけに、古峰ヶ原の本宮から御分社をいただいたと伝わる古峰神社が建てられている。昭和二十五、六年ごろまでは、古峰講として毎年二人が本宮に代参に行き、お札をいただいていた。代参は毎年四月十三日に一泊で行ってきて、十四日に帰ってくると村中で迎え、同時に柴の古峰神社で報告祭としていただいてきたお札をもう一度神社にあげておまつりした。そのあと代参に行ったものが、村うちに入ってお札を配って歩いたという。現在では、代参もお札を配ることも、おこなわれなくなってしまったが、祭りだけは毎年四月二十六日に村役のものが集まっておこなわれている。

 清野の大村にも、小高い山の中腹に江戸時代に勧請(かんじょう)されたと伝えられる、赤い鳥居の古峰神社がまつられている。村の人たちは、この古峰神社をコミネサンとかオテングサンとよんでおり、現在でも大村と合田・鳥見塚の八〇戸が古峰講に参加している。かつては越と宮村・道島なども入っていたという。毎年春に四人で古峰ヶ原の古峰神社に代参に行き、御祈祷を受け、お札をいただいてきている。いただいたお札は、古峰神社の祭りのときに御神前に供え、村中で無火災の安全祈願祭をおこない、各家に配られる。以前は祭りも四月十五日と決まっていたが、このごろは四月上旬の日曜日におこなわれている。