代参講としての戸隠講

708 ~ 709

戸隠講は戸隠山、戸隠神社を信仰する代参講である。戸隠山は長野市に隣接した上水内郡戸隠村にあり、比較的近いということもあって、講は市域に広く分布している。木曽御嶽講が点としての分布状況であるのにたいし、面として講が存在している。講員もかつては地区のほぼ全戸が加入しているといった形態が多かった。近年では希望者で参詣する講もあるが、まだ多くは代表者をたててお参りする代参講である。一つの地区に複数の戸隠講が存在する場合もあり、また、地区をいくつかの組に分けて、それぞれから順番の代参をたてて、組ごとの代参が集まって参詣するという形もみられる。代参は二、三人というところもあるが、多くは五、六人をたてている。

 戸隠神社においても講のたて方には決まった形があり、ほとんどの講はそれにもとづいて講を組織している。それは月並講といわれる講の形で、六人で一つの講とし、六年を一周と定めて年に一度、一人の代参をたてて御神楽(おかぐら)を献奏するとしている。