長野支部の活動

734 ~ 735

松本教会長野支部の支部長は徳間のF氏(大正十年生まれ)であり、支部の事務局もF家宅におかれている。現在の支部長は二代目で、つとめていた会社を退職した五五歳から御嶽教に入り、熱心だったのでしばらくして支部長を任された。初代の支部長は護摩をたいたり、九字を切るなどの行をする御嶽行者であったという。F氏が御嶽教に入信したきっかけは、旧制中学で五年ほど先輩にあたる人が長野支部に入っていてすすめられたからである。御嶽教に入ってからはまずは祝詞(のりと)を覚えることに専念した。水行(みずぎょう)などをおこなうことはなく、神道的な作法を会得(えとく)することに努めた。そのうち支部で認められ、さらに松本教会でも認められて、御嶽教教師として「権(ごん)大講義」の位を授かった。教師の位は訓導から大教正まであり、教会から奈良県にある御嶽教大本庁に申請して認められなければならない。F氏が支部長を引き継いだときには、ほかに一五人ほど位をもった人がいた。

 そういった教師の資格を得た長野支部の人たちで、須坂市のある結婚式場の神事施行管理を担当している。すなわち結婚式の式典の祈祷(きとう)をしたり、巫女(みこ)の指導などをしている。F氏は、ほかにも個々の家や企業に頼まれて地鎮祭や安全祈願祭、車のお祓(はら)いなども執行している。また、蚊里田(かりた)八幡宮(若槻東条)の年越しの神事も頼まれておこなっている。御嶽教の御神火祭は、木曽御嶽山ろくで毎年八月八日の深夜に執行されるが、数年前に長野教区の担当であったときには、松本教会とともに長野支部も中心となった。御嶽教長野教区の総会は年に一回、十一月に会場をもち回りで開催されるが、長野市で開催したこともあり、そのときには長野支部が尽力し、八〇人ほどの御嶽教の教師・信徒が参集した。