長野支部では、定期的に集まって祈祷するようなことはおこなっていない。したがって、支部のもっとも大きな行事は、木曽御嶽登拝である。御嶽登拝は七月下旬に一泊二日の行程で、松本教会とは別に長野支部だけで執行される。参加者はだいたい二〇人ぐらいである。マイカーなどを連ね長野を出発し、松本に出て松本教会に寄って登拝の祈願をする。それから木曽に入り、福島の御嶽教山の本部で祈祷し、王滝村の御嶽神社里宮、清滝、八海山神社、三笠山神社にそれぞれ寄って祈祷する。祈祷は大祓やみすずの祓いを唱える。松本教会の霊神場も木曽御嶽にあり、車のなかから手を合わせる。その日は八海山神社の近くにある八海山民宿で宿泊する。翌日は午前四時に八海山を出発し、車で七合目の田ノ原まで登り、そこから徒歩の登山となる。女性や高齢者など登る自信のない人は、田ノ原に残り遥拝所で祈願する。支部長も高齢なので平成七年(一九九五)からは頂上までは登っていないという。
装束は、上は白の行衣であるが、下は登山用か一般のズボンでよい。頭には御嶽教の印の入った鉢巻きを巻き、木の金剛杖(こんごうづえ)をついて登る。八合目か九合目で御来光を拝み、頂上剣ヶ峰まで登って祈祷をする。それから同じルートで下山し、登らなかった人と田ノ原で合流して帰路につく。