祭り集団の単位

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長野びんずるの祭り集団の単位は「連(れん)」とよばれるものからなる。連づくりは、前年参加した連によびかけるとともに、FM放送、新聞、街頭ビラなどで新規の連を募集するという方法をとっており、また、参加を予定している連のために踊りの講習会をもうけたり、祭りの本番前に連長会議を開催することで、各連の配置や流れを徹底したり、連長たちを中心として祭りの士気を高める努力がなされている。

 「連」は、同じ町内に住む集団であったり、会社や団体であったり、学生ならば同じ学校であったり、趣味の仲間や友達のグループなどであったりする。つまり、「連」の単位は、地縁、社縁、学縁を中心とする集団を基盤として組織されるのである。長野びんずるの「連」がどのような集団から成りたっているのかは、その所属をあらわす「連灯籠(れんとうろう)」によって読みとることができる。従来の御祭礼(祇園祭)が町内会という地縁集団を基盤として組織されたものであったのにたいして、長野びんずるは地縁集団以外にも社縁・学縁集団をも包括した組織で実施されたものである。しかし、長野びんずるの祭り集団は、しだいに、町内会を単位とする集団が脱退する傾向にあり、社縁・学縁集団のみに移行してゆくプロセスをたどっている。


写真2-162 連は祭り集団の単位(善光寺 平成9年)