若者連から保存会へ

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平林における祭りは、少なくとも江戸時代後期から昭和三十年代半ばごろまで、村の若者たちによって毎年維持され運営されてきた。

 こうした傾向はかつてはどの町や村でも共通ではなかったかと思われる。その後、都市化の進行とともに、若者の組織が解散し、多少の空白期間はあったが、中年や壮年を中心とした保存会が作られ、獅子舞などを継承しようということになった。平林では、有志によって平林神楽保存会ができ、会員を村の外にもよびかけて継続をはかっている。また、以前は仲間には入れなかった女性の加入も許可し、獅子舞の後継者が生まれている。この傾向は各町でみられ、中学生の女の子の舞い手を育てているところもある。

 昔は、一五歳の男子で長男であれば若者の仲間に入ることは当然であるという地域や親の了解のもと、氏子としてのなすべきつとめが自覚されて祭りの運営が機能していた。それにたいし現在は、本人の希望や意志が大事で、獅子舞や笛をやって多くの人に披露したいという芸への自覚や楽しみの自覚が祭りの維持や運営を支えている。