長野市長 鷲澤正一
長野市は、明治三十年(一八九七)に市制を施行し、平成九年(一九九七)に市制施行百周年を迎えました。
『長野市誌』の編さん刊行は、この百周年記念事業の一つとしておこなわれたものであります。平成九年に最初の四冊を発刊し、同年度に開催された長野オリンピック・パラリンピック冬季競技大会などとともに、市誌は百周年目の記念碑的な事業の一翼を担いました。
『長野市誌』は、原始時代から今日にいたる市域における人びとの生活の展開を多角的に跡づけ、明日のまちづくりの道しるべともなりうることを目指す、全一六巻からなる総合市誌であります。
平成九年度以降、自然編(一巻)、歴史編(七巻)、旧市町村史編(二巻)、民俗編(一巻)、資料編(四巻)、総集編(一巻)を計画どおり着実に刊行してまいり、本年度はいよいよ完結の年を迎えました。最後の今年は既刊各編の総括的な位置づけとなる総集編と歴史編年表を刊行いたします。
この総集編は、既刊の自然編、歴史編、旧市町村史編、民俗編の成果を要約するとともに、新たな視点も多く取りこんで編集、記述したものであります。長野市域における歴史と自然、民俗が大観できることを目指して記述内容に工夫をこらし、また読みやすく親しみやすいものにするため全体をカラー印刷といたしました。市誌各巻のなかでも、とりわけ市民の皆様に広くお読みいただけるよう願っております。
本巻を発刊するにあたり、児玉幸多先生にご監修をたまわり、調査研究、編集・執筆にあたられた皆様をはじめ、さまざまな方がたにご協力をいただきました。心から感謝を申し上げます。
平成十六年(二〇〇四)十二月十五日