刊行のことば 長野市長 鷲澤正一
監修にあたって 監修者 児玉幸多
緒言
例言
第一部 長野市の文化財と史跡
長野市の文化財(国・県指定)…二
長野市の文化財(市指定など)…三五
第二部 長野市域の自然――変貌する自然
一 基礎となる大地の変動…四三
1 変動する長野盆地…四三
長野盆地のおいたち 盆地西縁部の地形と活断層 東部山地の傾動と遺跡の埋没
2 資源むかし・いま…五〇
地下資源 その他の資源
3 変わりゆく水環境…五五
清水・井戸水や小川の水に支えられた生活 排水路と化した市内の中小河川 飲料水の水源確保 西部山地の溜池の利用
4 長野市の気候と温暖化や大気汚染の進行…六一
地域差の大きい内陸性気候 温暖化とヒート・アイランド 大気汚染と環境悪化
二 移り変わる動植物…六六
1 野生植物の異変…六六
裏山に増える常緑の木々 消えた草原と草花 はびこる帰化植物
2 河川や池の生きものの激変…七二
オオクチバスと水中の生きもの 姿を消してしまったトンボ・イモリ・カエル
3 変動する里や山の生きものたち…七六
消えたアメリカシロヒトリ 増えてきたイノシシ 里におりてきたカモシカ
第三部 長野市域の歴史
原始――長野盆地の黎明
一 高原の旧石器文化…八四
1 飯綱高原の狩人…八四
野尻湖のナウマンゾウ 飯綱高原の狩人
2 細石器から有舌尖頭器…八七
シベリア系統の組み合わせ道具 飛び道具の発明
コラム 旧石器ねつ造問題…九〇
二 山麓と千曲川河岸の縄文遺跡…九一
1 山麓と扇状地の縄文ムラ…九一
土器と弓矢の出現 西山の遺跡 扇状地上の遺跡
2 千曲川河岸に進出した縄文遺跡…九四
自然堤防上の遺跡 サケ・マスのもたらす恵み 縄文から弥生へ
三 赤い土器の国…九八
1 縄文の伝統と新しい波…九八
稲作技術の伝播 再葬墓と木棺墓
2 環濠集落の生活…一〇二
縄文色を残す栗林式土器 環濠で囲まれた松原ムラ
3 石の農具から鉄の農具へ…一〇五
北との交流 赤い土器を用いたムラ 稲作農耕の進展 ムラ長の墓
四 古墳にみる盆地の首長層…一一二
1 川柳将軍塚古墳と前期古墳…一一二
前方後方墳から前方後円墳へ 王の登場 地域王権の確立と変容 首長と祭祀
2 古墳時代のムラ…一一七
古墳を支えた自然堤防上のムラ 扇状地上のムラと古墳
3 朝鮮半島からの影響…一一九
積石塚古墳と合掌形石室 横穴式石室と家族墓 古墳にみる仏教文化
古代――シナノから科野国・信濃国へ
一 シナノから科野国へ…一二四
1 ヤマト王権と北信濃…一二四
前方後円墳と北信濃 人を介した支配制度
2 シナノにおける政治的社会の形成…一二七
六世紀以降の政治的変動とシナノ 国造・部民・屯倉 シナノから科野国へ
二 北信濃の古代…一三五
1 律令国家と北信濃…一三五
科野国の成立と北信濃 信濃国府と北信濃 北信濃の郡と郡司
2 善光寺平の古代社会…一四四
善光寺平の歴史的環境 善光寺平の神と仏 屋代木簡の語るもの 善光寺平の開発と条里水田
3 中世への黎明…一五六
九世紀・一〇世紀の社会変動とムラ 新しい政治のしくみ 広がる観音信仰と善光寺・戸隠の信仰のはじまり
中世――善光寺信仰の盛衰と地域社会の変貌
一 善光寺門前と地域社会の展開…一六四
1 源平争乱と北信濃…一六四
北信濃の平氏と源氏 義仲の市原・横田河原の合戦
2 南の富部御厨と北の東条荘…一六七
河川洪水と富部御厨 土砂災害と東条・今溝・市村高田荘 善光寺再建と東条荘の灌漑用水
3 御家人から御内人へ…一七三
善光寺平の御家人と源氏将軍 得宗政治と善光寺保護政策
4 善光寺門前都市の発達…一七八
新善光寺の全国化 東と南からの参詣路と門前の発達 善光寺仏師の活躍と特産品
二 大塔合戦と善光寺門前町の成立・発展…一八四
1 建武一統と北信濃の反乱…一八四
諏訪部・若槻氏の転出と北条氏の滅亡 北信濃の反乱から中先代の全国反乱へ 関東管領上杉氏の信濃進出と栗田城の決戦 青沼守護所から平芝守護所への移転
2 将軍義満と大塔合戦…一九一
将軍義満・守護長秀による守護所・後庁・善光寺門前の独占支配 大文字一揆・村上満信の蜂起 幕府代官の支配と関東の争乱
3 応永の平和とムラ・町の文化…一九四
国人高梨氏と六ヵ郷用水 市村高田荘の年貢輸送と山科家 戸隠・飯縄信仰と善光寺門前町の発展
三 善光寺門前町の衰退と城下町の台頭…一九八
1 信濃文正の変から川中島合戦へ…一九八
小笠原宗康の漆田原敗死と文正の変 善光寺平の戦国争乱 善光寺平の真宗寺院と武装化 戦国騒乱と川中島合戦
2 川中島合戦による善光寺門前町の荒廃と新興城下町の発展…二〇七
善光寺如来の争奪戦と門前町の荒廃 牧野島・松代・長沼の新興都市と城下町の形成 戦国時代の善光寺平 織田軍と善光寺一揆蜂起
3 天下統一と戦乱のなかの村と町…二一四
海津城主須田満親と上杉連合軍の勝利 秀吉の朝鮮侵略と戸隠神社再興 災害と消滅した中世の村々
近世――真田一〇万石と善光寺
一 松代藩と松代城下町…二二四
1 真田松代藩の成立と藩政…二二四
真田氏の松代入封 寛文検地と二斗八騒動 田村騒動と宝暦改革
2 松代城下町…二三〇
松代城と武家町 松代八町 武士の学芸と文化
コラム 松代城跡の発掘と成果…二三五
二 善光寺領と善光寺信仰…二三九
1 善光寺領の成立と政治…二三九
寺領の成立 領政と善光寺八町
2 善光寺信仰のひろがり…二四三
本堂再建と出開帳 善光寺参りと権堂の水茶屋
三 産業の発達と交通・運輸…二四七
1 農業の発達と商品生産…二四七
用水と入会山 善光寺町下肥騒動 木綿・菜種と醸造業 千曲・犀川の漁業
2 北国街道と交通運輸…二五五
北国街道の成立と宿駅 佐渡金銀と参勤交代 商品流通の発達と中馬・手馬 千曲川と犀川通船
四 戌の満水と善光寺大地震…二六五
1 戌の満水と飢饉…二六五
戌の満水 続発する諸災害 天明・天保の飢饉
2 善光寺大地震…二七一
善光寺大地震の惨状 語りつがれる大地震
五 貨幣経済の浸透と町・村の変化…二七五
1 村の移り変わりと文化…二七五
村の変化と村方騒動 衣食住の高まり 文書主義と寺子屋 若者組と村の祭り
2 町の暮らしと文化…二八三
善光寺町続き地と松代町外町 町の年中行事 町の暮らしと文化
六 支配の動揺と幕末動乱…二九〇
1 政治の改革と民衆…二九〇
幕府領の組合村と取締役 塩崎知行所の財政改革 真田幸貫の改革
2 ペリー来航から幕末動乱へ…二九六
黒船来航と諸藩の動向 長州戦争と領民の負担 佐久間象山と長谷川昭道
近代――近代への歩みと戦争への道
一 県都長野市のはじまりと発展…三〇四
1 明治維新と長野町…三〇四
松代藩の廃藩 県庁が置かれる 近代的市街地の形成と長野町から長野市へ
2 文明開化と学校教育のはじまり…三一四
信濃毎日新聞と郵便のはじまり 日新館から国民皆学へ
3 鉄道の開通と産業の近代化…三二〇
信越線の開通と商工業の発展 松代の製糸場と養蚕・農業の成長
4 災害や戦争のなかで…三二七
長野町・松代町などの大火と消防 大勧進養育院・海津学舎と避病院の設置 日清・日露戦争下の人びと
二 大正期市民意識の高まりと十五年戦争…三三六
1 市民意識の高まりと生活の変化…三三六
市町村合併と都市計画 普通選挙と生活の変化 長野市青年会と長野婦人会 長野の米騒動と廃娼・部落解放の運動 自由教育の動き 市営球場の建設とスポーツの振興
2 交通の整備と産業の発展…三五四
長野電鉄と川中島自動車の運行 長野市中央通りの改修 養蚕業と稲作の改良
3 昭和恐慌と市民生活…三六二
銀行の破たんと統廃合 農産物価格の下落と農村の立てなおし
4 十五年戦争と戦時下の生活…三六九
満州移民と青少年義勇軍 戦時下の市民生活 戦時下の学校生活 敗戦まぎわの松代大本営地下壕と長野空襲
現代――民主化の進行と国際化への歩み
一 民主化と高度経済成長…三八六
1 民主化への動きと市民…三八六
長野軍政部の進駐と市民 公職追放と婦人参政権 農地改革と食糧増産 戦後インフレ下の市民生活 戦後の新しい中学校と高等学校 公民館の設置と活動のはじまり
2 高度経済成長と拡大する市域…四〇七
二度の市町村合併で大長野市へ 商工業の発展と交通・公害問題 住宅団地の造成と農山村の過疎化 松代群発地震と水害・地すべり災害
二 市民生活の変容と長野市政…四二〇
1 低成長期の市政と市民生活…四二〇
石油危機と市民生活 高齢化社会と福祉事業の整備 不登校・いじめと学力問題
2 地域の変貌と市民…四三〇
まちづくり運動の展開 長野自動車道と長野新幹線の開通
3 広がる国際交流と長野市政…四三八
松代大本営地下壕跡の保存・公開問題 国際理解から国際交流へ 長野冬季オリンピック・パラリンピックの開催 行政の広域化と中核市移行
第四部 長野市域の民俗――習慣と生活
一 住まいと環境――生活空間の創造…四五三
1 村の伝承…四五三
開村伝承 災害の記憶
2 屋敷の選定…四五八
屋敷構え 住まいと暮らし
3 新しい住まいを求めて…四六二
見捨てられる住まい 街の活性化と近郊住宅地 新たな創造
二 村の風景――自然と暮らし…四六六
1 草萌える…四六六
春の訪れ 草ほける 秋風立つ
2 草枯れる…四七三
アキアガリ お菜洗い
3 新年…四七六
年取り ドンドヤキ
三 生活の創造――新しい暮らし…四七九
1 変わる暮らし…四七九
新興住宅地の形成 漂流する人びと
2 祭りの創造…四八三
都市の祭りとしての御祭礼 神なき祭りの登場 祭りの個別化 商都長野の秋の終わり
あとがき
総集編執筆者
執筆分担
監修者
刊行委員
編さん準備委員
編さん委員
調査協力員
事務局・編さん室職員