地下資源と水・土地・原始林・水産生物を天然資源ということがある。水は生物の生存と生活に不可欠な物質で人とのかかわりが広く深い。農林水産業や工業などの産業を支え、むかしは千曲川・犀川の水上交通を媒介し、季節的にサケ・マスを贈(おく)ってくれた。観光とのかかわりも大きい。高所にある水は位置のエネルギーをもち、落下するさいにそのエネルギーで水車を回したり発電などの仕事をする。農林水産資源は消費が生産をこえないかぎり永続する再生資源であり、地下資源は、温泉を除けば減るいっぽうで再生がきかない化石(かせき)資源である。
人の命と快適な生活を保障する上水道の平成十五年(二〇〇三)度の年間総配水量は、市営水道が三六六〇万立方メートル、県営水道の長野市分が一一〇四万立方メートルで、その水源は県営が大部分を地下水、市営水道は表流水(河川など)七三・七パーセント、地下水一六・五パーセント、伏流水九・八パーセントである。
土地利用について概観すれば、平成十五年度の長野市の総面積は四〇四・三五平方キロメートル、地目別の割合は図4のようである。一〇年ひとむかしというが、平成五年度にくらべ畑が一・九パーセント、田が一・八パーセント、山林が〇・六パーセント減り、宅地が一・二パーセント、その他(駐車場など)が一・二パーセント、雑種地(ゴルフ場など)が二・三パーセント増えている。空気は窒素(ちっそ)・酸素・アルゴンのほかネオンその他の希(き)ガス類の貴重な資源で、ボンベに詰めて使われている酸素はその一産物にすぎない。空気はいまのところ使い放題、無料(ただ)の資源である。