新宮神社

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新宮神社は前述の如く牛頭天王神像の出現によりあきらかに古代より存在したであろう。しかしはるか後代の安永六年(一七七七)の記録のみから、その創建を天武天皇白鳳四年(六七五)とするのも早計である。もちろん神社の初期の形態は社殿はなく、山もしくは樹石などで、特に背後にそびえる高星山はあきらかに古くから神体山として崇められた円錐の山姿であるし、祭場としては早くから存在したであろうが社殿の造営については当然、時代は降るのであろうか。新宮神社の創建を文禄三年(一五九四)八月とする『水上村沿革誌資料』があるが、これは刑部村の検地の実施された年で、それを契機としての社地、あるいは社殿の整備を後世誤って創建年代としたのであろう。