1 指出(さしだし)

141 ~ 141 / 699ページ
 検地に類することは戦国大名も行っていたが、中央権力者として初めて実施したのは織田信長である。しかし、それは田畑を一枚ごとに測量するものでなく、指出であった。指出とは、領主たちが支配している土地を残らず書き上げて申告させるものである。不明、不正な点があれば何回でも書き直しを命じ、偽りの申告をすると土地を没収することもあった。荘園領主や土豪が、自分の領内の土地の面積を調査することは古来から行われていたが、外部の権力者から申告を命じられたことは前代末聞であった。中央集権的統一権力の第一歩である。