3 相対(あいたい)賃銭

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 文字が示すように、荷物の重さや輸送距離に応じた話し合いの賃銭である。公用以外の継立(つぎたて)や商(あきない)荷物の輸送は、総べて相対賃銭で行なわれた。初期の相対賃銭は、御定賃銭の三割増ぐらいであったが、天保期には倍額が普通となった。幕末に至ると、物価の値上りと人馬需要の急増により、御定賃銭も相対賃銭も急騰した。その額は、各街道や宿駅により必ずしも一定していない。郷土史料は、前記六地蔵村問屋のもの一通しか発見されなかったので、賃銭の額を年次別に調べることはできなかった。