2 私塾

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私塾は、江戸時代、民間の学識者が自宅を教場とした教育機関で、漢学、国学、算学、医学、洋学、などのうち一・二教科を教えたものが多く、教育程度は、寺子屋をへた青年を対象とした高等教育に及んでいる。幕末維新期には、生産力向上による文化的欲求の高まりと政治情勢の変化による新知識の必要から、私塾の開設が盛んとなり、また塾生の中から多くの人材を輩出し、その教育力は注目すべきものがあった。地方にある私塾は、実際には、寺子屋と私塾とをかねた、寺子屋併存塾とも称すべきものが多かった。