[裁縫塾]

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 農村の女子教育の機関として、大きな役割を果したものに裁縫塾がある。ここでは、小学校を卒へて嫁入りする迄に、衣服の裁縫一通りのことを教えるとともに、行儀作法など、女子教育の精神的な面も指導したものである。
 明治の始めから、昭和の初め頃までの間にわたり、相当な数に上り、その内容もさまざまであるが、報告をされたものについて記してみよう。塾の分布は次表の如くである。
地区部落名指導者年 代塾生数年 令
水上 1 篠網鈴木べん明治四一―大正十七〇一六―二十才
 2 月川行方さだ大正―昭和二〇一六―一八
 3 高山曾根さき大正中期―昭和初二〇一八―二二
 4 大津倉野口某昭和二十年まで一〇
 5 同佐久間その大正の初め一〇
 6 同篠田たけ昭和初―昭和初三〇
 7 同安藤まつ昭和十四五年一〇
 8 稲塚大高民子昭和二一―二三年一〇
 9 辺田大熊ひさ大正一五―昭和二二七―八
10 田代鶴岡やす昭和十五年頃七―八一九―二〇
日吉11 針ケ谷小倉つじ明治三十―昭和三十二〇  一五―二〇
12 桜谷鹿間すみ明治三三―昭和五三〇―七〇
13 針ケ谷山越より昭和初め頃五   一五―一六
14 徳増大川すて大正末―昭和初一〇  一五―一六
15 同網野きわ昭和中頃一〇  一五―一七
16 鴇谷石川よし明治―大正一五  一六―一七
17 同加藤某明治―大正一五  一六―一七
18 日吉小榎本木島某明治二〇年代十名  一五―一八
長柄19 長柄山岡山まつ明治三三年頃一八―二〇
20 同元吉きよ明治一七年頃一〇一六―一八
21 同黒須くら大正七―昭和一三二五一四―二〇
22 六地蔵林ふじ子昭和一七・八年一五―二〇一五―二〇
23 千代丸林市子明治―大正三〇―四〇一五―二〇
24 追分本間とく明治の終り二〇一五―一七
25 山之郷岡本ふさ明治三〇年頃一〇二〇
26 国府里木島きく大正一四―昭和一五三〇一五―一六
27 長柄六地蔵中村なみ大正―昭和三年三〇―四〇一五―二〇
28 千代丸林つや明治―大正四〇―五〇一四―二一
29 山之郷岡本とく大正中頃一〇一七―二二

 右の中、比較的組織的に教育が行なわれていたものについて、その教育の状況を記してみよう。