12 害虫駆除と家畜調査

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害虫駆除は、はじめ明治二九年三月、県が害虫駆除予防法施行規則として実施通知を出したが、殆んど成果が上らなかった。すると県農会で、明治三五年、害虫駆除予防委員というものを各郡農会に嘱託設置したので、その活動が活発となり、翌年小学校児童に実施させたところ、多大の成果をあげたというわけで、以後、どこの小学校でも年中行事として実施したのである。明治三六年(一九〇三)六月二四日、害虫駆除実施の成果をみると、螟虫卵採集総数、三四三二四個、代金は、卵一個二―四厘の割で、六八円六四銭八厘となり、採集人員一五八名に学用品を配ったとある。家禽調査は、各家庭で飼育している鶏や牛馬の頭数等を調査するもので、毎年七月一日に小学生が実施していた。事の起りは、明治四〇年(一九〇七)六月、匝瑳郡長、岡巌が、管内巡視中、小学生の手をかりて家禽調査をする事を思い付き、試みたところ、極めて正確で成績良好であったので、同四二年から県下一斉に実施させることにしたもの。大正一〇年六月農商務省令施行規則に規定され、どこの学校でも永くつゞけられた。