14 駅逓・陸運

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明治四年郵便制度の発足とともに、郷土の近くにも郵便取扱所が設置されることになったが、木更津県時代はまだきわめて少なかった。明治五年(一八七二)七月一日に至って、茂原及び一宮本郷に開設された。
 明治五年九月一日、諸街道の駅々に置かれていた伝馬所を廃止、代って民間事業として陸運会社が設立され、総て相対(あいたい)賃銭による人馬継立貨物運輸業となった。長い間沿道住民を苦しめていた助郷制度はここに消滅した。長柄・埴生郡内で陸運会社が開業したのは、房総東街道では一宮本郷駅、本納駅、茂原駅、高師駅、房総東街道支線では六地蔵駅、長柄山駅、刑部駅、長南駅であった。現長柄町に属する地域に、三つの陸運会社が設立されたのは、郷土が交通の要地であったことを如実に示している。