既刊の『長柄町史』は、千ページを遙かにこえ、そのため近・現代史は、明治初期政治史と近代教育史その他若干を除き、その詳細は続編に譲らざるを得なくなった。
この度、続編刊行の運びとなったのであるが、編集の都合上記述の起点を昭和二〇年太平洋戦争終結の時点におき、現代の長柄町を中心とすることになった。内容的には、産業・交通・治安その他にわたり、それぞれ明治期までさかのぼって記述されているのであるが、分担執筆のため専門史的記述が並行しているような形となり、時代の流れを概観するには不向きなものとなってしまった。そこで、序章を設けて、明治・大正・昭和期の時代の流れを世相史的にとらえ、本編との結びつきを強めるとともに、続編本文を読む上での便に供したいと思う。更には、巻末の年表と関係づけながら読んでいただければ幸甚である。
なおこの概観で略説したものも別に項目を立てて、詳細に解説した場合があることも御諒承いただきたい。