一〇 戦争の足音 10 The footsteps of war

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 不景気に苦しむ国民の間には、財閥の利益を優先するような政党政治への不満が高まってきた。このような空気を背景に、右翼や軍部若手将校の間に、いわゆる「昭和維新」を唱え、政治の建て直しを図ろうとする動きが広まった。この動きは、やがて軍部全体の動きとなり、「日本の生命線、満蒙を守る」という旗印の下に、泥沼のような戦争に落ち込んで行った。