(3) 合併後の町財政

95 ~ 101 / 756ページ
前述のような状勢を背景として新町は出発したのであるが、はじめに述べた如く合併直後の財政運営は仲々容易なものでなく、新町建設計画に策定された事業も数多く修正がなされなければならなかった。行政需用に応ずる職員の新規採用も思うようにはいかなかった。
 昭和三五年にいたり、政府は所得倍増計画を樹立、この計画の推進によってわが国の経済は驚異的な伸張を見せ雇用の増大、国民所得の上昇、所得水準の向上など一連の現れとなり、税収の面にも好影響をもたらすようになった。しかしその反面行政需用は更に増加し、公共施設の整備拡充、物価の高騰、人件費の増大などにより、地方公共団体の必要経費も膨張して地方財政を圧迫し、硬直化をたどりはじめた。ために市町村は、人件費、物件費というような消費的経費を極力節減し、住民の福祉増進のための建設的経費の増大に意を払いつつ財政運営がなされたのである。
 政府は地方公共団体の財政安定のため、昭和四一年には、第一種臨時特例交付金の交付、昭和四三年には、自動車取得税交付金の制度、又交通安全対策交付金の制度をつくった。本町は昭和四一年に帝国観光KKの経営するゴルフ場を誘致したため、昭和四三年から娯楽施設利用税が入るようになるなど建設的事業の実施により自主財源が逐次増加するようになったのである。
 昭和四七年には、地方譲与税(自動車重量譲与税)の交付により、道路維持改良財源の安定が得られるようになるなど、又昭和四〇年代中期からの土地の譲渡所得による税収の一時的増加により、町財政は明るいきざしが見られたのであるが、昭和四八年暮からの石油ショックにより、わが国経済が高度成長から低成長、つまり安定成長へと大きな転換を余義なくされたため、地方財政は又も苦しい時代となってきたのである。然し本町は苦しい中に活路を求め住民福祉増大のため健全な財政運営が営まれている。各年度の推移を知る為に一覧表として次に示して見る。
 
昭和30年度歳入歳出予算(単位 円・当初予算を示す。)
歳     入歳     出
款   別予算額比率款   別予算額比率
町   税15,319,76053.7議 会 費515,9801.8
地方交付税5,600,00019.6役 場 費9,989,77335.0
臨時地方財政交付金00消 防 費1,851,5796.5
公営企業及び財産収入157,2390.6土 木 費1,964,7106.9
分担金及び負担金00教 育 費6,290,00022.0
使用料及び手数料222,0000.8社会及び労働施設費1,610,2035.6
国庫支出金3,635,40012.7保健衛生費309,0571.1
県支出金206,2000.7産業経済費2,752,0339.6
寄 附 金520,4621.8財 産 費236,1060.8
繰 入 金580,0002.0統計調査費232,4000.8
繰 越 金100選 挙 費279,0601.0
雑 収 入2,318,6908.1公 債 費388,0001.4
町   債00諸支出金1,840,9506.4
予 備 費300,0001.1
28,559,851100.028,559,851100.0

 
 
昭和50年度歳入歳出予算(単位 千円・当初予算を示す。)
歳     入歳     出
款   別予算額比率款   別予算額比率
町   税150,984120.5議 会 費26,0653.5
地方讓与税11,0001.5総 務 費137,29018.6
娯楽施設利用税交付金43,0005.8民 生 費69,7929.5
自動車取得税交付金16,0002.2衛 生 費20,5762.8
地方交付税290,00039.3農林水産費191,52826.0
交通安全対策交付金5000.1商 工 費2,8110.4
分担金及び負担金27,8003.8土 木 費107,20114.5
使用料及び手数料7,2770.9消 防 費26,1433.5
国庫支出金50,8276.9教 育 費113,23015.4
県支出金85,57711.6災害復旧費5,3600.7
財産収入4,2510.6公 債 費34,5034.7
寄 附 金8,0871.1諸支出金1
繰 入 金1予 備 費2,5000.4
繰 越 金14,0001.9
諸 収 入4,9660.7
町   債22,7303.1
737,000100.0737,000100.0

 
 
決算額の推移 歳入(単位千円)
         年度
科目       区分
昭和30年度昭和35年度昭和40年度昭和45年度昭和49年度
決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比
町   税15,11450.618,87633.3325,59021.557,97317.9152,86217.1
地方譲与税18,6412.1
娯楽施設利用税交代金8,3212.653,8796.0
自動車取得税交付金14,8124.624,6062.8
地方交付税6,22820.922,17839.1257,37548.2146,89545.2306,12934.3
交通安全対策特別交付金976140.1
分担金及負担金4590.814540.41,4870.581,5969.1
使用料及手数料1480.52490.431,1971.04,3271.33,0670.3
国庫支出金3,87713.05,1279.049,0387.624,6597.652,9075.9
県支出金4501.56541.157,0625.915,0604.694,05710.5
財産収入1010.33200.6920.17530.24,1520.5
寄 附 金4101.44300.751,0880.91,9240.620,5092.3
繰 入 金1,0013.40000000
繰 越 金5,0028.824,1453.513,4664.132,4403.7
諸 収 入2,5148.41,1792.082,7392.34,4951.47,4100.8
町   債2,5004.4110,2008.630,4009.440,2004.5
 
歳出合計29,843100.056,686100.0118,980100.0324,669100.0893,069100.0

 
 
決算額の推移 (歳出) 単位千円
     年度
科目   区分
昭和30年度昭和35年度     年度
科目   区分
昭和40年度昭和49年度
決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比
千円%千円%千円%千円%
議 会 費5481.89411.75議 会 費3,3603.022,6732.7
役 場 費9,66632.410,55619.63総 務 費25,40222.5131,19715.5
消 防 費1,9306.52,3614.39民 生 費9,8068.762,5167.4
土 木 費2,0096.73,6046.70衛 生 費3,3783.015,3441.8
教 育 費7,71525.912,69623.61労 働 費4,0663.6
社会労働施設費1,5885.35,57210.36農林水産費15,58413.8268,24231.7
保健衛生費2891.06871.28商 工 費5020.52,7090.3
産業経済費3,05310.35,1179.52土 木 費10,7329.5124,04714.7
財 産 費1510.52010.37消 防 費4,1793.733,5214.0
統計調査費2440.83980.74教 育 費30,56027.1140,77116.7
選 挙 費1400.53610.67災害復旧費1,7851.68,7711.0
公 債 費3901.31,2182.27公 債 費3,3663.035,5504.2
諸支出金2,0857.010,05818.71諸支出金0000
歳出合計29,808100.053,770100.0歳出合計112,720100.0845,341100.0

 
 
決算額の性質別の推移 単位千円
     年度
性質別  区分
昭和35年度昭和40年度昭和45年度昭和46年度昭和47年度昭和48年度昭和49年度
決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比決算額構成比




人件費14,56727.134,77330.878,86225.594,91923.8120,70319.0151,10116.9205,28424.3
扶助費009700.91,3870.41,4610.44,3520.714,3581.622,4802.7
公債費1,2182.33,3663.013,2504.316,8864.226,4764.225,6032.935,5504.2
小 計15,78529.439.10934.793,49930.2113,26628.4151,53123.9191,06221.4263,31431.2




普通建設事業費24,81146.142,65037.8108,13834.9146,35936.6352,44555.6556,45762.3352,50141.7
その他5,8515.234,23311.127,5846.94,5740.73028,7711.0
小 計24,81146.148,50143.0142,37146.0172,94343.5357,01956.3556,75962.3361,27242.7




物件費8,08115.014,90713.237,53412.152,75313.263,21810.063,4037.177,1209.1
維持修繕費1,1362.11,6611.58,8672.97,4701.98,3541.311,2601.315,3411,8
補助費等3,5126.57,7276.825,7198.339.84810.052,9478.461,1666.996,73211.5
積立金300.1690.18650.36070.23200.19,2051.015,4421.8
出資金貸付金001950.26540.21030626380.1
その他4150.85510.5011,2282.8015,4821.8
小 計13,17424.525,11022.373,63123.8111,91628.1124,86919.8145,09616.3220,754
合 計53,770100.0112,720100.0309,501100.0399,125100.0633,419100,0892,917100.0845,341100.0

 
 
固定資産評価の推移(平均価額)(単位 円)
 基準年度
地目
昭和30年度昭和33年度昭和36年度昭和39年度昭和42年度昭和45年度昭和48年度昭和51年度
反当反当反当反当39年度評価
を据え置き
反当反当1,000m2
36,57437,72838,76845,70346,20847,24151,615
反当反当反当反当反当反当1,000m2
15,92317,48017,61721,01721,24421,50423,191
坪当坪当坪当坪当坪当坪当1m2
宅 地2242332405991,3442,7901,231
反当反当反当反当反当反当1,000m2
山 林3,3573,5253,85711,46720,04822,89527,127
反当反当1,000m2
ゴルフ場180,000230,000390,000
(1)昭和30年地方税法の改正により基準年度の制度が創設され3年ごとに固定資産の評価替を行うことになった。
(2)昭和33年度は土地の平均価額が時価に比し著しく低いため平均して農地は4%宅地は6%その他の土地は5%の引き上げが行われた。
(3)昭和36年度は前の基準年度に比し時価がかなり上昇しているので指示平均価額については農地3%宅地6.7%その他の土地5.4%の引き上げが行われた。
(4)昭和39年度は,時価と評価額との不均衡を是正するため田及び畑,宅地山林等の全地目別に売買実例価額を基準として評価する方法がとられた。固定資産評価基準が全面的に改訂された。全国の上昇割合は田1.35倍,畑1.33倍,宅地6.33倍,山林3.06倍となった。
(5)昭和42年度は,改訂が行われず39年度の評価額が据え置かれた。
(6)昭和45年度は全面的な評価替が行われた。全国の上昇割合は 田1.07倍,畑1.06倍,宅地2.33倍,山林1.28倍。