新憲法の下に各種の制度の改正が行われたが、選挙制度の大改革もその一つである。主権在民といわれる民主政治を進める根本は選挙である。住民一人ひとりの一票により選んだ代表者によって、国政、地方公共団体の政治が行われるのであるから、選挙の持つ重要性は極めて高いのである。
選挙事務も戦前の市町村長の選挙体勢から、合議制の選挙管理委員会の手に選挙の執行権が委譲されることになった。これは、市町村長が住民の直接選挙となったことにより、又政党的勢力が地方自治行政にも浸潤しつつある傾向から、選挙事務は一党一派に偏しない公正且つ民衆的機関の手に委ねることが最も適当であるということから、選挙管理委員会が設置されることになったのである。