(二) 耕地整理法による土地改良 (2) Improving land in accordance with the Arable Land Readjustment Act

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 明治時代の用水や耕地の整備工事の殆んどは、農民自身の労力と出費に頼り、お上からの補助は極めて乏しかった。
 ところが、明治も半ば過ぎると、県や国で土地改良に補助を出すことを考えるようになった。即ち明治二七年(一八九四)七月、県農会で、模範耕地整理補助規程を作って奨励に努めた。
 同三二年には、県で耕地整理法(昭和二四年土地改良法と改め、溜池工事にも適用)をつくり、同三九年一〇月「耕地整理ニ関スル規程」を配って基本調査にとりかかり、耕地整理を行なおうとする者の便を図るため、同四三年四月に、耕地整理補助規程を発布した。
 しかし郷土では、日吉村桜谷部落が、この適用をうけて耕地整理を行ったに過ぎなかった。その理由は、この規程が、用水排水を整理することと、水田の区画を改正することの二条件がなくては、補助の対象にしなかったためである。その後大正三年(一九一四)頃に、区画はそのままでも、用排水の設備を整えれば、耕地整理と見なされることになったので、本町でも次第に耕地整理に関心をもつようになった。
 次に、明治以来各部落で実施した主な土地改良事業について述べてみよう。まずそれらは次表のごとくであるが、その各組合の結成による土地改良の仕事を各組合別に展望して見よう。
 
地域組合名施工年揚水機種受益面積
(ヘクタール)
日吉桜谷耕地整理組合
徳増揚水組合
長富揚水組合
小榎本揚水組合
鴇谷・立鳥揚水組合
初芝耕地整理組合
針ケ谷耕地整理組合
明四四
明四一→大一五→昭一五
昭五
昭八→昭二〇
昭二三
昭八→昭二三
昭七
 
蒸気→石油→電力
電力
電動力
電動力
石油→電動力
石油
二五・五
一七
一七
一八
一七
五・二
五・五
水上金谷耕地整理組合昭八→昭二三電動力一三・二
長柄国府里耕地整理組昭七五・九