わが国経済が、戦後の急速な復興をとげ、「もはや戦後ではない」といわれる段階に到達した昭和三〇年(一九五五)以降、持続的な高度成長によって、農業と非農業との間に、その生産性や所得水準の格差が次第に大きくなってきた。そこで政府は昭和三四年、農林漁業基本問題調査会というものを設置し、農漁村の実態を調査し、農業生産を高め、格差を是正するための、基本問題と基本対策を内閣総理大臣に答申させた。この答申に基づいて制定されたのが農業基本法で、昭和三六年六月に公布された。
一 昔の考えを変えた農業構造改善事業 1 Agricultural restructuring and improvement project that changed old ideas