日吉地区

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この事業のねらいは、従来の水稲中心の穀作型農業から複合自主経営農家を育成しようとするところにある。具体的には、三つの型を想定している。I型は施設野菜専業経営の農業、Ⅱ型は米と施設野菜をくみ合せた経営の農業、Ⅲ型は米と露地野菜をくみ合わせた経営の農家の型である。これらの農業経営が最も近代的に効果的に行なわれるよう、土地基盤の整備と近代的な機械施設の整備の二面を行なおうとするものである。
  (ⅰ) 土地基盤整備事業
 この事業は長柄町が主体となって実施した耕地整理である。日吉中部地区一一九戸の農家所有の総面積七五八ヘクタール(台帳面積六七七ヘクタール)の耕地を一区画三〇アールの長方形の圃場に区切り、農道、用水路、排水路が接続するように設計されている。最初二か年の予定であったが、関係者の熱意によって、一年で完成された。事業費は一億六千万円でそのうち国庫補助は七千七百万円である。

  (ⅱ) 農業近代化施設整備事業
 近代化施設の内容は二つに分けられ、一つは水稲作の高性能システムと今一つは野菜栽培農家育成の施設に分けられる。

 
種別数量金額
1
2
3
4
5
6
トラクター
水稲育苗センター施設一式
田植機
自脱コンバイン
ライスセンター施設一式
農機具格納庫
二、七PS 三台
一棟 一八〇平方米
一、七PS 六台
刈刃幅一、二米 六台
一棟 六三五平方米
一棟 九三平方米
四、一六四千円
八、四一六  
九九九  
一三、六八〇  
九五、四九四  
二、〇〇四  
総計約一億三千万円

 
 第一の高性能、水稲作のシステムであるが、その種類は前の表の通りで、昭和四八年、四九年の二か年で出来上った。
 この中、集中管理システムによるライスセンターは、予備乾燥貯留方式の穀物乾燥、調整の施設である。解り易くいえば、籾の乾燥(生又は半生籾)→籾すり→検査→政府売渡しの仕事をする施設である。
 

ライスセンター(長柄事業所)

 
  その施設の能率をみると、一日の荷受量六〇トン、貯留槽五〇トン八槽、循環能力は時間当二〇トン、籾摺能力は時間当四トンで、面積一五〇ヘクタールの生籾または半乾燥の籾を取扱う能力をもっと云われている。本県では勿論のこと関東地方でも始めてと云われる注目すべき本格的な施設である。この施設の事業主体は、日吉農業協同組合(組合長酒巻英次)である。
  第二の野菜栽培施設であるが、日吉農協と日吉園芸組合(組合長増田衛)が運営に当っている。施設種類は
  野菜苗育苗ハウス 二棟一〇五六平方米
  野菜ハウス 一〇棟一〇一七六平方米
  事業費 六千九百万円である。

 
 野菜ハウスは、本町では、昭和三十年(一九五五)代から散在的に普及してきたが、本格的に生産団地化したのはこれが始めてのことであり、組合は共同選果、自主検査、共同出荷を実施している。尚日吉地区の生産組織体制は次の表のようなしくみになっている。
 

(資料)〔地区農業概造改善事業 生産組織体制整備の構造〕(昭50年)

 

日吉中部構造改善完成碑(表)

 

日吉中部構造改善完成碑(裏)