品評会・共進会

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品評会や共進会も農事改良の方法として、毎年盛大に行なっていた。中でも明治三九年には、日露戦捷記念として、全国、県、郡、町村単位で盛大に行なっている。同四四年になると、牛馬耕競技会や、俵装競技会等も行なわれるようになる。特に馬耕講習会は、明治四四年郡農会が一宮、長柄、東、長南の四地区を選び徹底を図っている。
 明治三八年(一九〇六)長生郡農会で行なった各種品評会の出品一覧をみると次表の通りで、実に広範囲に亘って行なっていたことがわかるのである。
 
明治三八年 長生郡農会水産組合各種品評会出品一覧表
品名出品数特等一等二等三等四等五等不合格出品人数
一〇九一一一五二三二七三一一〇九一〇九
一一二一五二〇二五四二一一二一一二
四六一四三一一五四四
一四一一
家禽一〇六一二二〇三八六八八〇
蔬菜一〇一一〇二三七八六〇
果実三八二九二七
桑園二二一二一〇二二
菽類六七一一二一四六五三
木炭
花莚
小計六二七四五七六一一二五二七三三七六二六三五三六
鰹節一二
田作一二
干鰯一九一三
鰹節
ニホシ
干鰛
田作
小計四九二〇二九二一
参考品四二三一八
総計一、〇九九四八八四一一九五四七三三九六二九二五七五

 
 ところがこの品評会もあまり評判がよくなかったとみえ、同三九年五月郡農会より「……産物品評会ハ斯業改良上最モ必要ナル事項ニ有之……総会ニ於テ米麦立毛品評会ヲ開設スル事ニ決議相成ル儀ニ有之候モ、従来往々空文ニ存スル向モ不尠、其結果往々農会ノ不振ヲ来ス等甚ダ遺憾ノ次第ニ付……必ズ実行ニ着スル様……」と注意が出されているので、一般農民の意欲をかき立てたり、質的向上を図ることが困難であったのではないかと思われる。