合併の経緯

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昭和二八年(一九六三)から同三〇年にかけて、町村合併促進法により、全国各地に新市町村が誕生し、それに伴って町村農協の合併も行なわれていった。しかし、昭和三〇年に合併した本町は、歴代町長や関係者の努力にもかかわらず農協の合併は極めてむずかしく、長柄、日吉、水上三単協のまま昭和五〇年を迎えた。
 ところが一方では、長生郡市町村の農協合併論が台頭してきた。その要因を考えると、昭和四四年一〇月、長生郡市七町村が広域市町村圏の指定をうけ、し尿処理、ごみ処理の問題、消防体制の広域化など、広域処理が実施されるようになったことである。
 このような生活圏の拡大という間接的要因に刺激され、昭和四六年頃から、長生郡市全農協を合併し、市町村と一体となって、組合員組織の再編をはかり、農業近代化と地域の経済発展向上を図ろうとするものである。このような合併論の高まりの中で、直接的な要因となったものは、昭和四五年(一九七〇)一一月県下農協組合長大会において、一三七の農協を二四農協とする広域経済圏農協合併案が議決されたことである。
 長生郡市農協組合長会は、この方針に沿って、昭和四七年七月長生郡市農協合併推進委員会を発足させ、先進農協の視察、合併についての具体的事例の研究、幹部職員の研修など数次にわたって行ない、同四八年五月、農協組合長、市町村長、農業委員会長で構成する長生郡市農協合併協議会がつくられることになった。
 合併協議会は、合併に関する基本的な事項を次の通り定めた。
 
  農協合併基本的事項
一 名称 長生農業協同組合
二 地区 長生郡一円(但し本納地区除く)
三 合併方式 対等新設合併
四 合併基準日 昭和四八年一二月三一日
五 合併総会 昭和五〇年八月一〇日
六 合併予定日 昭和五一年一月一日
七 総会及総代会制 総代会制とする。総代の選出基準は、正組合員戸数二〇戸に一名の割合で五二六名とする。
八 役員 役員中理事の定数は正組合を基準として二八名とし、監事は七名とする。その任期は、昭和五一年一二月三一日までとする。
 2 役員の任期は三年とする。
 3 役員選出方法 選任制とする
   役員の推せん委員の定数は、旧町村単位とし二三名とする
九 事務所 新組合の本事務所は、当面現在の組合事務所のうち余裕ある事務所におき、従たる事務所は、現在ある事務所及び支所とする。
一〇 出資一口の金額並びに最高限度
   一口の金額一〇〇〇円とし金額一時払とする。最高限度五〇〇口までとする。
一一 設立委員 理事数と同じ正会員三五〇名を基準とし二八名とする。新組合の定款その他設立に関する行為一切を行う。

 
 このような合併基本的事項を基礎として、新農協の経営方針について、各町村農協は、組合員に周知徹底を図り、幾多の困難曲折を経、昭和五一年(一九七六)一月一日、長生農業協同組合は誕生したのである。