長柄町は米穀を中心産業とするいわゆる農村という性格をもっているが、地形の関係上から旧長柄村のうち丘陵部に属する集落は畑作・畜産あるいは林業などが行われて来た。この章ではそれらを概観する事としたが、近世以降においても政治が米を中心としていた為に、遺存する文書類が、米以外のことについてはいちじるしく僅少で、その変遷のあとを具体的にたどる事が困難ではあるが、今後の新しい資料の出現をまつと共に各産業別に一応の概観を試みると共に、あわせて商業・工業・金融などについて、回顧と展望をこの章において述べたいと思う。