二 樹林地の状況 2 The state of forested zones

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 本町の樹林地は、従来、松・杉を中心とする針葉樹林地が第一で、次いで、薪炭用としての広葉樹林が多かった。昭和二七年長柄村の統計では、針葉樹林五二九ヘクタール、針闊混合一五・五ヘクタール、闊葉樹林三五八ヘクタールである。ところが、戦争の影響と戦後の植林の無計画や社会情勢の変化により、山林に関する関心は薄く、その上松喰虫の猛威により、松は殆んど全滅の状態で、針葉樹林は著しく減少している。表2によると、針葉樹林は、昭和二九年(一九五四)九〇九ヘクタールが、三二年四四〇ヘクタール、四五年四八四ヘクタールとなったのに対し、広葉樹林は、二九年六八八ヘクタールから、六〇四、八二八ヘクタールと増している。これは、椎茸栽培のための原木の需要や栗林などの造成等の影響があるものと思われる。
 昭和三三年、長柄町の林業振興のための基礎調査による、樹種別の面積をみると、表4の如く、針葉樹二七%、広葉樹七三%で雑木が四五%を占めている。本町は、すでに茂原水道の水源地として、水源林造成特認地域に指定されているので、水資源造成のための林種転換を行なってきた。そのため、転換された広葉樹は、更に資本回転の早い椎葺原木に生産増大を図り、針葉樹についても更に改善を加えてゆく必要がある。
 
表4 昭33年 樹種別比較表
種 別面 積%
179.5 ha10
3.96 
赤 松152.72 9
黒 松131.90 8
くぬき87.27 5
な ら205.28 12
雑 木787.43 45
か し187.43 11
合 計1,735.49 100
針葉樹468.08 27
広葉樹1,267.41 73

 
 竹林については、竹材としての利用もあまり重視されなかったが、最近は、竹材よりも筍の需要が増加したため、竹林も次第にふえ、昭和二九年五五ヘクタールが四五年には、一一七ヘクタールと二倍以上に増加し、今後更に増加の傾向にある。