現状と問題点

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 昭和四二年立案された、長柄町長期綜合計画(六〇年までを見通して)(1)の中で、本町の商業の現状と問題点について、次のように述べている。
 
   「商業活動は、これを支持する消費者、それから生ずる消費需要と密接な関係があることは言うまでもない。近時、所得の増大、生活文化の向上に伴って、その消費需要は、著しく増加の傾向にある。然しながら本町は、大部分が一次産業であるため、農業所得の動向に左右されることが大きく、その商業活動は必ずしも十分ではない。昭和三九年(一九六四)の商業統計によれば、本町一商店当りの従業員は一・六人で県平均三・四人と比較するとかなり小規模で、家族従業者を中心とする者が多い。その販売額も一商店当り、二百七万円で、零細商店が多い。このため、生活必需品を販売する小売業者が圧倒的に多く、地域住民の消費需要を充分満すことができず、茂原市及び千葉市の商業地に流出させている。これは、消費人口の過少にもよるが、他市への出稼ぎや、車社会の現出にも大きな原因がある。今後、企業誘致、観光開発などにより商業圏の拡大を図る心構えが大切である」
 
 そこで、第一表、第二表、第三表から、商店一戸当りの、従業員数と販売額の変化を調べてみると別表の如く、従業員数では殆んど変化はみられないが、販売額では、五一年には、三三年の一四・五倍で、三九年と四九年の一〇年間に四・三倍に増加している。これから考えると、企業者自身が、組織を強化し、創意工夫を図りつつあることのあらわれではないかと思われる。
 
表1 <商業>商店数の変遷(単位:百万円)
産業分類昭和47年度昭和49年度昭和51年度
商店数従業
者数
年間
販売額
商店数従業
者数
年間
販売額
商店数従業
者数
年間
販売額
総 数86167人55089198人80197212人1,492
卸売業611 15616 33931 410
小売業74143 51674159 70075151 1,010
飲食店613 19923 681330 72
(商業統計調査)

 
 
表2 商業別商店数・従業者数(昭和33年商業調査)
産業中分類別商店数従 業 者 数商品
販売額
総数内法人総数個人
業主
家族
従業者
雇用者重役
役員
総  数863139854686千円
91,474
一般卸売業5853334,489
特殊卸売業
各種商品小売業
織物身廻品〃79724,790
飲食料品 〃49289493868,485
車 両  〃91091112,634
家具建具什器〃79722,037
その他  〃91148429,039

 
 
表3 商業別商店数・従業者数(45.6.1)
産業中分類別商店数従業者数年間販売額
総   数8415339,368(万)
一般卸売業7121,976  
各種商品小売業
織物・衣服・身廻品小売業7122,440  
飲食料品小売業516926,997  
自転車・荷車小売業56678  
家具・建具・什器小売業63,696  
その他小売業32,283  
飲 食 店5101,298  

 
 
表4 <工業>
 工業事業所の推移
 
(単位:万円)
区 分事業所数従 業 者 数製造品出荷額等
総 数常用労働者個人業種
家族従事者
昭和30年1455人39人16人2,289
  351046 36 10 4,094
  40839 32 7 8,737
  45837 25 12 7,579
  4910127 124 3 363,118
  5016193 189 4 871,207
  5118205 201 4 551,609
  5218213 211 2 349,729
(工業統計調査)

 
 
年 度昭三三昭四七昭四五昭四九昭五一
一戸当従業員一・六人一・九人一・八人二・二人二・一八人
〃 販売額千円
一、〇六三
千円
六、三九五
千円
四、六八六
千円
九、〇〇〇
千円
一五、三八〇