江戸時代には、庶民の金融機関として、両替屋、講、無尽等があって、多くの人々に利用されていた。明治五年(一八七二)、わが国に銀行を中心とする新しい金融機関が誕生し、千葉県にも、明治一一・二年頃、八幡(第四七)千葉(第九八)銚子(第一四三)の三つの国立銀行が設立されたが、一般は、銀行が何をするところか殆んど知る者もなく、長生地方に銀行が設立されたのは、ずっと後の明治三〇年代になってからの事である。そのため、講や無尽は、一般庶民の素朴な希望をかなえてくれるものとして、つい最近まで利用されていた。その外農村に大いに利用されてきたのは、産業組合であるが戦後は、昭和二二年(一九四七)法律第一三二号に基づき農業協同組合と変って、農民に大いに利用されている。
次に郷土の主な金融機関等について記してみよう。但し農業協同組合については、農業の項に入れたので、ここでは省いた。