勤勉共進社社員(川崎主計家蔵)
共進社の目的としては「同志者団結シテ一層奮発勤勉シテ貯金ヲナシ、一ハ以テ起業ノ資本トナシ、一ハ以テ救荒予防ニ備へ以テ世態人情一変セシメ、窮境ノ僻村モ、大ニ昔日ノ面目ヲ改メ、駸々トシテ文明ノ域ニ進マンコトヲ祈ル」とあり、文明開化をすすめるには、何としても、勤勉貯蓄をして資本をためねばならぬと説いている。そして事をなすには、同心協力、言行誠実でなければならない、平素無事の時にこそ、天災時変や吉凶、患難に際会してあわてないよう、この予防策をたてることが大切で、それが同志共同の貯金であるとして、我国古来からの天変地異や、隣国である中国等の実例をひき、その必要を力説している(以上川崎家文書による)。
これをみると、この部落が貯蓄ということに常に力をそそいでいたことがうかがえるのである。