その後、三〇年(一九五五)七月、町議会議員の改選と同時に教育委員も改選され次のようになった。
委員長平川公夫。副委員長柴崎盛伝、委員加藤鴇夫、多賀太郎、大木周三郎、教育長鶴岡仁一。
ところが、前述のように、三一年一〇月一日、教育委員会法が改正になったので、委員長山田正、同代理阿部勝、教育長鶴岡仁一が任命された。以後、五五年の現在まで、委員は数多く交替したが、その活動の重点は、新しい小中学校の近代的整備充実にしぼられてきたといってもよいであろう。現在の小中学校の姿がそれを物語っている。しかし、これで十分というわけではない。幼児教育幼稚園の充実、中学校教育の改善統合など解決すべき問題が数多く残っている。社会教育の充実も今後の問題である。生涯教育の立場から、町民のさまざまな学習活動や運動やレクリエーション活動が展開できる施設が望まれるのである。
なお、そのためには、委員会事務局の充実が必要となる。教育費の推移及び委員の氏名は前掲の通り。
教育費の推移(長柄町) |
年度 | 町決算(千円) | 指 数 | 教育費(千円) | 指 数 |
昭30 | 29,808 | 100 | 7,715 | 100 |
35 | 53,771 | 180 | 12,696 | 163 |
39 | 90,468 | 303 | 15,249 | 197 |
40 | 115,123 | 385 | 31,107 | 403 |
41 | 153,220 | 514 | 35,673 | 462 |
42 | 197,176 | 661 | 53,807 | 697 |
43 | 210,213 | 705 | 58,653 | 760 |
44 | 228,540 | 766 | 34,807 | 451 |
45 | 315,866 | 1,059 | 56,867 | 737 |
46 | 406,240 | 1,362 | 89,142 | 1,155 |
47 | 683,253 | 2,292 | 85,160 | 1,104 |
48 | 905,648 | 3,038 | 270,776 | 3,509 |
49 | 845,341 | 2,835 | 140,771 | 1,824 |
50 | 933,982 | 3,133 | 114,870 | 1,489 |
51 | 1,165,591 | 3,910 | 210,599 | 2,729 |
52 | 1,058,837 | 3,552 | 237,331 | 3,876 |
53 | 1,334,533 | 4,477 | 244,273 | 3,166 |
54 | 1,424,813 | 4,779 | 182,707 | 2,368 |
歴代教育委員長 | 歴代教育長 | ||||
代 | 氏 名 | 就任年月日 | 代 | 氏 名 | 就任年月日 |
1 | 石川啓治 | 昭和三〇、 四、二八 | 1 | 鶴岡仁一 | 昭和三〇、 四、二九 |
2 | 平川公夫 | 同 三〇、 八、 一 | 同 | ||
3 | 山田正 | 同 三〇、一〇、 一 | 同 | ||
4 | 石川良蔵 | 同 三四、一一 一六 | 2 | 平野郁弥 | 同 三九、 二、一六 |
5 | 酒巻政雄 | 同 四五、一一、一六 | 3 | 宮沢清之進 | 同 四五、一〇、 六 |
6 | 鶴岡九皐 | 同 四八、 六、一三 | 4 | 蒔田郁郎 | 同 四八、一〇、 五 |
7 | 藤田惣次 | 同 五三、一二 一一 |
註
(1) 旧長町柄役場文書、長柄町役場所蔵
(2) 同前
(3) 『千葉県教育百年史第一巻』千葉県教育委員会編一六三頁
当時の小学校は、一等から三等までに分かれ、一等小学校は、小区内の中心校で、一~二校に限られていた。尚監視訓導と呼ぶようになったのは、明治九年二月で、その後間もなく廃止された。
(4) 同前、二五三頁、「小学校数員等級表」によると、訓導の等級は一等から五等に分かれていた。
(5) 『千葉県教育史巻三』教育会編。
郡視学職務規程 本県では明治三十年三月郡視学職務規程を定め同年四月一日より施行する旨訓令した。左の如し
郡視学職務規程
第一条 郡視学ハ郡長ノ命令ヲ受ケ郡内の教育事務ヲ巡視ス 其要項左ノ如シ
一 教育ニ関スル勅語ノ聖旨実行ニ関スル事項
二 御真影及勅語謄本ノ保管並其取扱ニ関スル事項
三 学校の設置廃止分合并児童通学ニ関スル事項
四 校舎校地校具体操場農業場等ノ設備ニ関スル事項
五 学校長教員ノ職務及服務ニ関スル事項
六 学齢児童ノ就学及出席ニ関スル事項
七 学校ノ休日教科目ノ加除修業年限及教授時間ニ関スル事項
八 学級ノ編制及教員ノ配置等ニ関スル事項
九 教授訓練体育及学校管理ニ関スル事項
十 学校ノ風紀及衛生ニ関スル事項
十一 学事諸表簿ニ関スル事項
十二 家庭教育ニ関スル事項
十三 教員講習小学校長教員等ノ集会及教育会ニ関スル事項
十四 町村長区長及代理者学務委員ノ教育事務取扱ニ関スル事項
十五 教育費ノ収入支出授業料減免学校資産管理ニ関スル事項
十六 学事ニ関スル賞誉及奨励ニ関スル事項
十七 学事ニ関スル法令規則実施ノ状況
右ノ外特ニ郡長ヨリ指示シタル事項
第二条 郡視学ハ前条ノ各事項ニ就キ意見アルトキハ郡長ニ具申スヘシ
第三条 郡視学ハ視察シタル教育事務ニ就キ意見アルトキハ町村長学務委員学校長教員学校設立者児童保護者等ニ対シ指示若クハ協議スルコトヲ得但重要ナル事項ハ予メ郡長ノ指揮ヲ受クヘシ
第四条 郡視学ハ学校長教員町村長学務委員等ノ教育事務ニ関スル集会に臨席シテ意見ヲ述ルコトヲ得
第五条 郡視学ハ主トシテ郡内ヲ巡視シ視察ヲ終ル毎ニ巡視功程ヲ作リ郡長ニ差出スヘシ
(1) 旧長町柄役場文書、長柄町役場所蔵
(2) 同前
(3) 『千葉県教育百年史第一巻』千葉県教育委員会編一六三頁
当時の小学校は、一等から三等までに分かれ、一等小学校は、小区内の中心校で、一~二校に限られていた。尚監視訓導と呼ぶようになったのは、明治九年二月で、その後間もなく廃止された。
(4) 同前、二五三頁、「小学校数員等級表」によると、訓導の等級は一等から五等に分かれていた。
(5) 『千葉県教育史巻三』教育会編。
郡視学職務規程 本県では明治三十年三月郡視学職務規程を定め同年四月一日より施行する旨訓令した。左の如し
郡視学職務規程
第一条 郡視学ハ郡長ノ命令ヲ受ケ郡内の教育事務ヲ巡視ス 其要項左ノ如シ
一 教育ニ関スル勅語ノ聖旨実行ニ関スル事項
二 御真影及勅語謄本ノ保管並其取扱ニ関スル事項
三 学校の設置廃止分合并児童通学ニ関スル事項
四 校舎校地校具体操場農業場等ノ設備ニ関スル事項
五 学校長教員ノ職務及服務ニ関スル事項
六 学齢児童ノ就学及出席ニ関スル事項
七 学校ノ休日教科目ノ加除修業年限及教授時間ニ関スル事項
八 学級ノ編制及教員ノ配置等ニ関スル事項
九 教授訓練体育及学校管理ニ関スル事項
十 学校ノ風紀及衛生ニ関スル事項
十一 学事諸表簿ニ関スル事項
十二 家庭教育ニ関スル事項
十三 教員講習小学校長教員等ノ集会及教育会ニ関スル事項
十四 町村長区長及代理者学務委員ノ教育事務取扱ニ関スル事項
十五 教育費ノ収入支出授業料減免学校資産管理ニ関スル事項
十六 学事ニ関スル賞誉及奨励ニ関スル事項
十七 学事ニ関スル法令規則実施ノ状況
右ノ外特ニ郡長ヨリ指示シタル事項
第二条 郡視学ハ前条ノ各事項ニ就キ意見アルトキハ郡長ニ具申スヘシ
第三条 郡視学ハ視察シタル教育事務ニ就キ意見アルトキハ町村長学務委員学校長教員学校設立者児童保護者等ニ対シ指示若クハ協議スルコトヲ得但重要ナル事項ハ予メ郡長ノ指揮ヲ受クヘシ
第四条 郡視学ハ学校長教員町村長学務委員等ノ教育事務ニ関スル集会に臨席シテ意見ヲ述ルコトヲ得
第五条 郡視学ハ主トシテ郡内ヲ巡視シ視察ヲ終ル毎ニ巡視功程ヲ作リ郡長ニ差出スヘシ