表13 とっている薬屋の調査(回答者数) |
名まえ | 長柄 | 日吉 | 水上 | 名まえ | 長柄 | 日吉 | 水上 |
広貫堂〓 | 15 | 9 | 10 | 虎印奈良御所市 | 4 | 2 | 2 |
村瀬薬房 | 12 | 5 | 10 | 増田薬品(西脇) | 4 | 3 | 1 |
村上薬品 | 11 | ― | 1 | タイ印米田昇 | 4 | 2 | ― |
ミ五分閣大薬房 | 14 | 8 | 10 | ||||
マ前野義彦 | 6 | 4 | ― | 市原薬品 | 7 | 6 | ― |
ハすもう,ちょっきり | 2 | 1 | 1 | マルフク | 10 | ― | 1 |
高市製薬 | 5 | 2 | 3 | 備前屋 | 3 | 1 | 1 |
ムヒ本舗 | 1 | 1 | 深谷薬局 | 1 | ― | 2 | |
成田薬局 | 10 | 2 | 4 | その他 | 10 | 15 | 15 |
田村薬品 | 8 | 4 | 計 | 126 | 61 | 62 |
この表にみえる奈良の薬うり米田昇さんについてふれてみよう。米田昇さんは、奈良県高取町豊島製薬の売薬人である。氏の談によれば、奈良の薬は、大正一二年の震災後から長柄方面に入っているが、当時は二、三〇戸にすぎなかった。
その後、戦争の為、昭和一六―二四年間中止し、二五年頃から始め現在は四百戸に及んでいる。薬の目玉商品は、沢市目薬だった。父も売薬人で自分は二代目、もう五〇歳を過ぎたので息子に後継ぎをさせようとしたがダメ。理由は何かと言えば、配置員(売薬人)は、千葉だけでなく、山形や和歌山を回るので、一年の三分の二、七、八か月は家を留守にする。そのため嫁に来る人がないからだとのこと。売薬業者の前途もきびしいものがあるようである。