六 広域消防体勢の出現 6 Emergence of wide-area firefighting strategy

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 所得倍増政策、高度経済成長政策により、わが国の産業経済は急速な発展と生活環境の高度化を促した。火災の発生件数にしても多発化し複雑化の傾向をしめすようになった。
 

1.長柄町消防団組織表

 

2.長柄町消防団組織表

 茂原市を中心とする長生郡内各町村の消防体勢は、茂原市に常備消防が設置されているのみであり、他の町村は非常備消防であり消防団員及び消防ポンプ、消防水利等は何れも消防設置基準に対し、大幅に下回っている現状であった。特に消防団員の現況を見ると、産業構造の変化に伴い京葉工業地帯への出稼ぎが多くなっており、昼間不在の状況が顕著にあらわれはじめており、ますます増大してゆく傾向にあった。この他交通事故の発生による救急体勢も整備拡充しなければならなくなっていた。このような課題を市町村単位で実施することは全く不可能なことであるので、ここに長生郡市一体となる消防体勢が生れたのである。
 昭和四四年一〇月、長生郡市は自治省から広域市町村圏の指定を受け、消防事務を共同処理することに決定した。昭和四六年四月長生郡市広域市町村圏組合本部が発足、この構成市町村は、茂原市、一宮町、睦沢村、長生村白子町、長柄町、本納町(昭和四十七年茂原市と合併)長南町の八市町村であったのである。
 かくして圏内に三分遣所の設置が行はれ、常備消防が一体化して消防の共同処理を強力に推進する体勢が整った。そこで消防団を従前どおり各市町村に置けば二重行政になりかねないわけで、消防行政を効率的に処理するために文字どおり一体となる必要性にせまられるにいたった。昭和四七年一〇月長生郡市消防団合併協議会が生れ、広域市町村圏管理者会議などと慎重な協議が重ねられ昭和四九年四月七市町村の消防団が合併し名称を長生郡市広域市町村圏組合消防団となったのである。
 この組織において本町は第八分団となった。四部、二五班に分れ総員二四〇人である。