山之郷の火災

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明治二七年春昼間、山之郷に十数軒の火事があった。山之郷部落の西南方谷間、現在茂原水道の浄水場付近で農作業をして居た人の火の不始末から山火事となり、折りから南風にあおられ人里に延焼忽ち部落全体が火の海と化した。現在と違ひ高燥地で水利の便悪しく如何とも消火の方法なく見る見る内に部落の大部分が烏有に帰してしまった。「油断大敵、火がボーボー」とか呉れぐれも心すべきは火の用心である。