昭和二九年の豪雨

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すなわち六月二八日鴇谷東部前田祐雄家では朝から豪雨が続き夜になっても止まず且つ停電の為め家内中が床に就いたところ九時頃轟音を伴い山崩れが襲ひ大きな住宅母屋は前に押し倒されたが怪我人の無かった事は不幸中の幸であった。同日刑部月川の伊藤久男家でも同夜十時頃裏山が突然崩れ落ち住家(母屋)が倒壊した。次男久二(22歳)は即死。主人久男は重傷、直ちに駈け付けた近所の方々に救出されて隣家に運ばれ手当を受け九死に一生を得た。爾来数年治療の効ありて元気になり部落会長を勤める様になった。