前にも述べたが、郷土に電灯が布設されたのは、大正末期以後のことで、それも一家に一灯か二灯にすぎず、月々の電灯代は、農家にとって相当な負担であって、勿論電力を自由に使うことなどは思いも及ばなかった。ところが終戦後の昭和三五年(一九六〇)頃から農家は好景気の波に乗り、電力の需要は急激に増し、揚水、精米、製莚、脱殻、籾擢など殆んど電化し、家庭生活のあらゆる方面にも電気器具が普及し、戦前に比して全く隔世の感がある。昭和四九年(一九七四)一〇月、本町の電化状況を抽出調査(旧長柄四四戸、日吉二二戸、水上二〇戸)したので、それによって、現状を記してみよう。