七 広域水道 7 Wide area water supply

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 高度経済成長政策が進められ、京葉工業地帯の発展はめざましく、特に新日鉄の君津市への進出、市原市工業群の発展策のために、同地方への工業用水、上水を如何に措置すべきかは、国家的施策としとりあげられるようになり、昭和四五年この市原、君津地方工業群に送水する目的で、水資源開発公団が事業主体となって実施する房総導水路計画が公表された。長柄町に対してこの計画の詳細が水資源開発公団より発表されたのは、昭和四十六年であった。
 房総導水路事業とは、利根川の水をまず最初、佐原地先で取水し、栗山川により横芝町まで導き、この地点からポンプアップし、既設の両総用水路を利用し又導水路により東金に揚水し、更に導水路により長柄町山之郷地先に建設する長柄ダム(貯水量一〇〇〇万屯、土エン堤式ダム)まで導入し貯水し市原、君津の地帯へ工業用水と都市用水を送水しようとするものである。この工事費は当初二二〇億と定められたが、その後修正され六六〇億に上る画期的な大事業である。そもそも九十九里地域は、水道の普及が低かったためにこれを好機として、匝瑳、山武、長生の地域(所謂九十九里地域)に前記工場群へ送水する全量の一〇%を還元してもらい、この地域の生活文化を高めようとして樹てられたのが九十九里広域水道である。関係市町村の幾度かの協議により、昭和四十六年、九十九里地域水道企業団として発足したのである。
 

(広域水道長柄浄水場)

 この九十九里水道企業団から用水の供給を受けて長生郡市各町村の各末端まで給水を行う目的で、昭和五十五年四月、長生郡市広域水道計画が樹てられた。関係市町村は、茂原市、一宮町、睦沢村、長生村、白子町、長柄町、長南町である。
 長生郡市広域水道計画の概要(昭和四十九年三月三十日 厚生大臣認可)
 計画給水人口 一三九、八〇〇人  計画一日最大給水量 七二、八五〇立方米  目標年次 昭和五十五年度
 工事期間 昭和四十九年度~昭和五十一年度。
 長柄ダムが完成すると、水道事業は、長生郡市全体を給水区域とする一事業体で経営されることになる。このような広域的経営の方が有機的、能率的な経営が行え、財政基盤の確立、料金の適正化につながろうというわけである。(第六章第四節(五、長柄ダムの建設)五九九頁参照)
 
(昭和五十一年四月一日現在の本町の水道普及状況)
   地区別
区分
長柄地区日吉地区水上地区
世 帯 数八〇四世帯四七六世帯四八〇世帯一、七六〇世帯


茂原水道五五四  四一六  四三六  一、四〇六  
町簡易水道一一〇  ―  ―  一一〇  
六六四  四一六  四三六  一、五一六  
普 及 率八二・五%八七・三%九〇・八%八六・一%