文化への関心

706 ~ 707 / 756ページ
過去や現在の文化への関心の強弱はその町の文化程度を示すものであり、かつその町に育つ児童生徒などの情懆を養うために必須のものだが、ついテレビの発達ジャーナリズムの進透は私たちの関心を都会へのみ向けさせ、私たち農村居住者の眼を惹きつけてしまう。その点、昭和四三年(一九六八)に始った町史編集の準備としての編纂委員会の発足は過ぎ去った過去への大きな発見につながるものとして注目すべきであろう。ひとまずその仕事は昭和五二年(一九七七)に一二〇〇頁に近い『長柄町史』として刊行され、なお明治以降の資料が調査されて近く、千頁に近くまとまろうとしている。また昭和四六年(一九四六)発足の町文化財審議会の発足は長い間隠されていた多くのすぐれた町の過去の文化を発堀紹介しているが、ここでも私はそれらを継続的に町の人たちに伝えることの出来る設備の常設を強く訴えておきたいと思う。