概要

 史跡長柄横穴群は、南北に広がる谷の東側丘陵と西側丘陵の東斜面に位置します。横穴墓はすべて「高壇式(こうだんしき)」とよばれている玄室(げんしつ)が一段高くなる形態(けいたい)であり、玄室内部は家形(いえがた)・ドーム形・縦(たて)アーチ形等の形をしています。また多くの横穴墓の羨道(せんどう)及び玄室内部には、白色漆喰(しっくい)が塗られており、第13号墓には人物・鳥・建物等の線刻画(せんこくが)が確認されました。出土遺物(しゅつどいぶつ)は、須恵器(すえき)・土師器(はじき)・鉄製品(てつせいひん)等が出土しています。

史跡長柄横穴群全体図

過去の調査例
 史跡長柄横穴群は、古くから研究者により注目されており、昭和33年の高橋三男(たかはしみつお)氏による「東上総(ひがしかずさ)源六谷横穴群」、昭和38年の上智大学による「東上総の社会と文化」、昭和52年の斉藤忠(さいとうただし)氏による「長柄横穴群」等の報告があります。このような研究によって、昭和55年には、16基が「長柄町横穴群徳増(ながらまちよこあなぐんとくます)支群」として千葉県の史跡指定となりました。その後、平成5年には県教育委員会が、重要遺跡確認調査を行い、平成7年に35基が国指定となりました。なお平成8年に第2支群に新たに1基の横穴墓が発見されています。