目次
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第五編 近世(一) -関ヶ原戦から明治維新まで-
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第一章 支配体制と村のしくみ
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第四節 苗木遠山家の家臣団
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一 家臣団
足軽・中間の変遷
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下級家臣の足軽、中間の数的な推移とその待遇についてみることにする。その員数について確かな数は把握しがたいが、正保から享保にかけてみる限りでは員数について足軽は漸次増員し、中間・下男については、万治から寛文にかけて固定し、享保に入るとまた減少の傾向を示す。特に中間・足軽については前述したように約一・五倍に近い増員となっていることがわかる(Ⅰ-14表)。
Ⅰ-14 下級家臣の員数
また幕末頃については「足軽役平名前帳」(嘉永五年)、「足軽御奉公順」(弘化三年)についてみる限り、その員数において増員の傾向にあることがうかがわれる。
その待遇については大変とらえにくいので、参考までに嘉永五年(一八五二)の切米・扶持・金切符についてみるとⅠ-15表のようになり、前述した「中小姓・徒士の俸禄と数的変化」(Ⅰ-12表)のほぼ同期(弘化三年)と比較すると徒士層の下位に集中していることがはっきりわかる。
Ⅰ-15 足軽の俸禄(嘉永五年)