Ⅰ-21 足軽・中間・下男の俸禄(寛文四年)
「切米(きりまい)」は中・下級家臣に対して与えられる年俸である。切米五石といえば、年間五石の玄米が与えられるという事である。「扶持(ふち)米」とは俸禄として給与する米で、何人扶持という言い方をしている。一人扶持とは一人一日五合の割合で一年分の玄米を受けるものである。また「金切符」は女中等にあたえられる給金といわれるものである。その俸禄内容、支給高は時期により異なるが、概して時を経るに従って低額になっていく。一般的に切米と扶持を受給しているものは、どの階層でも上位にある者で、切符金の支給を受けている者は、その層の中でも下位に位置している者である(前記「中小姓・徒士層の変遷」・「足軽・中間の変遷」を参照)
足軽の給与については、寛文三年(一六六三)友貞が「覚」を出し規定している。これによると、切米は小頭を五石五斗に定めること。平足軽古参の者は、高四石五斗に定めること。金、きりまい古参の者は、二両二分高にすること。足軽は纐纈勘右衛門正友、長沼彌右衛門秀久、纐纈助右衛門長政の三人の者次第にし、切米高はこのように定めておき、頭の者次第にすること等を定めている。