村の大きさ

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近世農村をみる第一の視点は、石高を基準にみることであろう。正保二年(一六四五)の一国郷牒に記載されている村名と村の石高をみると、美濃国全体で村数一二五三か村、恵奈(那)郡では七八か村、中津川市関係区域で一一か村ある。
 石高では美濃国全体で六二万石余、恵奈郡は三万四〇〇〇石余、市関係区域では八二二三石余となっている。恵那郡内の各村の村高を規模別にみると、Ⅰ-32表のように村高一〇〇石以下二一か村、一〇一石~五〇〇石が三〇か村、五〇一石~一〇〇〇石が一七か村、一〇〇一石~一五〇〇石七か村、一五〇一石以上が三か村となっている。一か村平均は約四四〇石になる。美濃国内の各郡別一か村平均は五〇一石であるから、恵奈郡は平均より下廻る。隣接の土岐郡は一か村平均六〇七石、加茂郡は四〇五石であり、恵那山を越した伊奈(那)郡(宝暦年間)では約四一一石、木曽を含む筑摩郡では、約二三七石となっている。
 国別では美濃の西と東の国をあげると、近江国(享保年中)一か村平均村高五四九石、信濃国(宝暦年中)一か村平均村高三〇九石になる。

Ⅰ-32 恵那郡内における石高別村数(正保郷帳)