川上(かおれ)

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川上についてみよう。川上は中津川の町より川上川[中津川]にそって、南へ約四km入ったところにある集落である。「美濃覚書」の中津川村の「〆高区分」をみると、
 
 一 高 六百四拾九石六斗四升七合           町分
   同 六石六斗五升三合               同所出高
 一 高 三石九斗八合 田三反九畝廿壱分        同所畑田
 一 高 三百六拾四石七斗六合             中村
 一 高 拾壱石四斗壱升六合 田壱町壱反九畝拾五分(歩) 同所畑田
 一 高 百五拾九石五斗弐升三合            実戸村
 一 高 八斗五升六合 上畑七畝三分          同所畑田
 一 高 百四拾八石四斗七升八合            [上兼 北野]
 一 高 廿壱石壱斗壱升三合              町分扣高
 一 高 弐石五斗八升弐合 田弐反八畝八分(歩)     同所畑田
 一 高 四拾三石三斗九升九合             この村
 一 高 壱斗弐升八合 下畑壱畝拾五分         同所畑田
 一 高 弐百八石八斗壱合               町本郷打出し (傍点筆者)
 一 高 弐石四斗九升八合 四反六畝拾弐歩       同所畑田
 一 高 弐拾壱石九斗八升壱合             川上村
 一 高 拾壱石五斗四升七合              川上村打出し
 
 となっており「町・本郷打出し」の後に川上村分の高二一石余が記載されていることに注目したい。このことは町・本郷と川上の区分を意味するものであろう。
 「巖邑府誌」に「河上村ハ竜泉寺ノ東麓ニアリ 其邑三分ノ一ヲ以テ安岐ニ属シテ我領トス 其余ハ皆尾張ニ領ス……略……」となっている。安永五年(一七七六)に定免となってから、本郷の取扱いになっているごとく推察される。