直接支配者

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地方(じかた)とは町方に対する称から転じて田制、土地制度一般となり、さらに転じて農村一般における民政を指すようになった(日本史辞典・角川書店)。この地方の支配は幕府、大名の最も重視したところで、年貢関係を支配の柱としてきびしくおこなわれた。この直接支配にあたるのが代官であった。したがって代官の能、不能によって農民の生活に大きな影響を与えることもあった。
 幕府代官の役には郡代と代官とがあるが、郡代は管轄区域の広いもので、代官より格式は上であり代官中より任命された。代官の具体的な事務を列挙すると、年貢・検見・開発・道普請・吟味・裁判などであった。だから土地事情に精通していることが必要な条件となってくる。
 そこで支配体制が未確立である江戸時代初期は、その土地の土豪、地侍的な者から任用されることが多かった。