しくみ

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苗木領における地方支配の最高責任者を郡(こおり)奉行という。寛文一一年(一六七一)の同分限帳によれば郡奉行は二名あり、いずれも苗木遠山家の上級家臣である。
 江戸中期以後は郡奉行は一名となり、郡奉行添役が加わり郡奉行を補佐することとなった。郡奉行の下に代官がいて直接民政支配に当った。正保二年(一六四五)には六名の代官が置かれたが、その担当区域は左の通りであった。
 
地下(じげ)の村々町 日比野村 上地村
北方村々黒川村 中屋村 須崎村 柏木村 久須見村 宮代村 大沢村 下野村 神土村 越原村 有本村 名倉村 油井村 田嶋村 打尾村 広野村 若松村 久田嶋村 成山村
五ヶ坂下村々上野村 下野村 田瀬村 福岡村 高山村 坂下三郷
中通村々飯地村 中之方村 峯村 下立村 塩見村 福地村 切井村 赤河村 犬地村 上田村
南方村々蛭川村 姫栗村 毛呂窪村 河合村
瀬戸村瀬戸村

 
 この六区分を、享保年中に至って瀬戸村は地下区域に入れ五区分にし、さらに江戸後期(天保二年)に五か坂下区域に蛭川村を加え、中通と南方を一区域に合し、全域を四区分に編成替えを行った。従って代官は四名となった。
 なお正保二年と寛文一一年の代官は次のようになる。