組頭の選出例1

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組頭の選出については二例をあげる。第一の例は宝暦一二年四月(一七六二)阿木村枝郷青野村組頭弥之右衛門が五年来の病気で「役義御免之願書」を代官所へ差出しておいたところ、後役は入札して提出せよと仰付けられて「青野村ニて三枚 本郷阿木村両庄屋入札二枚 枚数都合五枚致目録差上置申候処 閏四月六日阿木村庄屋壱人青野村百姓代半九郎 弥平次被召呼 御代官様ニて 弥之右衛門義病身ニ相成役目御免相願候ニ付願之通後目御免被成候 後役之義弥平次江仰付候間 左様ニ相心得可申段被仰渡候」(青野鷹見家日記)とあるように、青野村で三人、本郷の阿木村で両庄屋が入札して代官所へ差出し、それをよりどころに代官所が青野村組頭に弥平次を任命していることが分かる。組頭の入札は五人組限りで五人組で代表者一票(佐藤実著・土岐川上郷)という村もあるが、青野村は五人組といっても一つしかなく、みんなで三票であろう。
 つまり地域代表的(地域別選出)な性格をもつ組頭は、関係地域の意見をきくことをやったものと考えられる。