中津川村の階層

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貞享検水帳、宝暦高寄帳(市史・中巻別編)から、個人高を多い順にまとめてみると、次のようになる。
 
 貞享検地帳から
  高 五〇石~三〇石   三名
  高 一〇石代     一四名
  高  九石~ 五石  五九名
  高  四石~一石  一一〇名
  高 九斗~五斗    一六名
  高 九升以下      六名
  高 四斗以下     二二名
 
 大高持筆頭は本陣、問屋役の権兵衛五〇余石、ついで問屋の次郎右衛門と善三郎で、この三人はとびぬけて多い。この検水帳にあがる人数は二三〇名程と推定される。この中で一石~四石代がもっとも多く、約四七%をしめている。その中で一石代が三三名の一四・三%をしめている。また、一石以下の中では、少ない方の五斗以下が多い。このように、貞享検水帳でみると、大高持、五石~一石の農民、五斗以下の高の少ない農民の三つにわけられる。これが宝暦六年名寄帳では
 (1) 八〇石~四〇石の大高持
 (2) 二〇石~一〇石の高持百姓
 (3) 四石~一石の高持百姓
 (4) 四斗以下の百姓
 の四つにわけられるようである。そして(1)の中に土豪、地侍系で村役人、宿役人になった者以外に、宿の商人として地位をつくりあげてきたものが入っている。逆に(4)の高の少ない者も増加している。

Ⅱ-16 貞享検地にみる個人高