苗木領の運上・冥加

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文化一五年(一八一八)の加茂郡神土村の「職人 商人書上」(県史史料編近世七)によると、職人商人札として、商人、大工、木挽、桶屋、酒屋、紺屋、紙屋、板差 黒鍬 山方日用などがでていて、「諸職人御札正月十一日相改申候」、「札銀年々十二月差上ケ申候」(中野方村諸振合之覚)とあって、毎年職、商人札の改めを正月に行い、一二月運上を出していたようである。そして、その札銀の金銀額について、文化年中では、商人は一人に付金二分、酒造金三分、大工(半人分)銀四匁、木挽(半人分)銀三匁、桶屋(半人前)銀二匁などになっている。
 明細帳(市史中巻別編第四章村の生活)から、日比野、上地、瀬戸三か村の諸職人と運上をまとめると、Ⅱ-50表になる。
 なお参考として、苗木領が領外へ出荷される商品に課した役銭定をあげる。これも遠山家への収入であり、運上ともいえよう。
 
 八手鍛冶炭(一俵付)銭六文
 はんば木(拾把付) 〃三文
 かわ、まき、かんば、きわた、くの木の皮(一貫目付)銭四文
 ほう木(一駄付) 銭三二文
 小藤(一駄付)   〃五五文
 挽板(一間付)   〃一二文
 紙草(一〇〆付)  銭三五文
 油荏(一斗付)   〃九文
 かち栗(一斗付)  〃二八文
 かや(一斗付)   〃二四文
 干〆治、かわたけ(一斗付)銭三六文
 麻布(一端付)   銭一五文
 苧(一〇〇匁)    銭五文
 鹿猪かわ(一つ分付)大銭五〇文
          小〃二四文
 小紙(一〇束付)   〃二四文
 串柿(一〇連付) 銭一〇文
 松茸(一〇〇本付)〃一〇文  (県史史料編近世)

Ⅱ-50 日比野・上地・瀬戸三か村諸職商人と運上(明細帳)